自分なりの解釈の見出し方
目次
タロット占いを挫折せず独学で習得したい人におすすめの勉強方法を紹介。スムーズに最短でタロットを習得できるように挫折しやすいポイントを押さえながら、タロットを独学で習得するための勉強方法を順序を追ってわかりやすく説明していきます。
前回の挫折しない! タロット占いを独学で習得したい人におすすめの勉強方法 入門1はこちら
前回はタロットを独学で習得するための流れと、タロットを知るために適したタロットデッキを手に取ることの重要性についてお話しました。
今回は、絵を眺め、なにが描かれているかを自分で見つけ、自分なりの解釈を見出すについてです。
タロットカードの構成を知ろう
ライダー・ウェイト版のタロットカードは78枚で1セットです。
この一揃いのカードの束をデッキ(deck)といいます。
タロットデッキは次のように構成されています。
大アルカナ
番号IからXXIに愚者(0か番号無し)を加えた22枚のタロットカードです。
番号Iの魔術師のカードです。その他、よく知られている死神なども大アルカナに含まれます。
一般的に、大アルカナのタロットカードは小アルカナのカードよりも重要なメッセージを伝えます。
大アルカナのタロットカードには、それが人生の元型のライフステージに沿って、始まり(無邪気な「愚者」)から、終わり(完成のカードである「世界」)までをあらわしています。これらのタロットカードは、人生の上り坂と下り坂を進んでいく普遍的な人間の性質や状況を示そうと愚者の旅(The Fool’s storyと呼ばれます)に見立てています。
小アルカナ
ワンド(棒)カップ(聖杯)ソード(剣)ペンタクル(金貨)の四種類、各14枚があります。1だけは数字ではなくエースと呼ばれます。
これがワンドのエース。各エースのみ、雲から伸びた手が各スートを握って差し出しています。
小アルカナは、あなたの過去、現在、未来に起こった出来事、あなたが直面するかもしれない問題や障害、あなたが感じるかもしれない恐怖、あるいは、あなたへのアドバイスを示しています。大アルカナに対して日常生活の細々としたことをあらわししていると考えると理解しやすいと思います。
時間や季節を占う場合に重要視される事がありますが、それはまた別の機会に。
コートカード
コートカード(宮殿の人たち)の特に「ペイジ」はトランプにないカードなのでピンとこないかもしれません。
これがワンドのページです。
「ペイジ」とは、宮殿の従者の若い男の子です。宮殿に使える若者、まだ騎士ではない見習いの子供と捉えてください。
ペイジ(従者)ナイト(騎士)クイーン(女王)キング(王)は、あなたの人生に登場する人々を象徴することが多く、時にはあなた自身をあらわすこともあります。
ちなみに、アルカナ(arcana)とは、ラテン語のarcanum(秘密奥義、秘薬、霊薬)の複数形です。「隠されている秘密たち」といった意味です。
タロットカードを眺めてみよう
まずは1枚ずつカードを眺めてみましょう。
タロットの本を読んでいない場合でもかまいませんし、読んでいた場合も一度頭を空っぽにして、とにかく一枚づつ手にとってタロットカードの絵柄をじっくりと眺めます。
どれぐらい一枚のタロットカードを眺めるかは、あなたのペースで大丈夫です。
1枚1分眺めるなら、78枚のタロットカードをすべて眺めても1時間半あれば終わります。
…とはいっても一気にやったら疲れてしまいますよね。
ですから、順序として
1.大アルカナ22枚を1枚づつよく眺める
2.小アルカナのワンドのスート14枚を一枚づつよく眺める。次はカップ、ソード、ペンタクルへと進む。
と進めるとスムーズにタロットカードに馴染めると思います。
繰り返しになりますが、このタロットカードの絵柄を一枚づつ眺める時間は、一分でも10分でもかまいませんし、丸一日「今日は愚者について絵柄を眺めては考える日にしよう」とじっくり時間をかけてもOKです。
なお、この作業は独学で陥りやすい「いつかはやろう」ではついつい先延ばしになるので、例えば今週はここまで、来週にはここまで、など区切りをつけて自分への宿題にしてスマホのリストアプリやカレンダー、手帳に書いてしまうのをおすすめします。
一緒にタロットカードを眺めてみよう
それではさっそく例として、大アルカナの初めのカード「0番 愚者」を一緒に眺めてみましょう。
さて、愚者のタロットカードにはなにが描かれていますか?
どんな印象を受けたでしょう?
あなたの感じたこと、気が付いたこと、すべて正解です。
まったく指針が無いと戸惑ってしまうかもしれないので、見るポイント例を提示すると…
・描かれているのは何か? 人間か、人外か、人数は、それはどんな状況でしょうか
・性格を想像してみましょう
・その人の暮らしぶりはどんな風でしょう
・服装は何色でどんな柄で、そこからどういう印象を受けるますか?
・複数の生き物が描かれている場合、それは敵か? 味方か?
・それぞれの目線は? 向きは? 表情は? 機嫌はどうでしょう?
・どんな場所にいる? ロケーションを想像してみましょう。気温、お天気、風、香り、音、時間帯など
・背景には何が描かれている?
・背景の色は?
…などなど。
私はいま愚者のカードを眺めてこんなことを感じました。
そしてこれらの印象を自分なりに解釈し、愚者のカードの意味を見出していきます。
楽観的、怖いもの知らず、ポジティブ、身軽、自由、無邪気、警告、知識不足、長き旅路、スタート、これからの道の険しさ、苦もあれば楽もある、明るい未来、秘めた可能性、自分を信じる、何者にでもなれる、夢を描く、純粋無垢、胸一杯の希望…
もっといろんな意味があると思いますが、感じたことをざっとあげてみました。
もちろん、ここにない意味以外にも、あなたの感じたこと、気が付いたことすべてが正解です。
例えば、大アルカナの17番目は「星」いうタロットカードです。主な意味は「希望」で、この「主な意味」とは、多くの人がそのカードから感じ取り、広く採用されている意味ということです。
先ほど私は愚者のカードの印象から「希望」という意味をあげたので、同じ意味になってしまいます。
しかし同じ「希望」でも、その強弱や願いの性質、自身の力で叶えるのか、他者の力で叶えられるのか、あるいは偶然手に入るのか…など微妙な違いがあり、一つとして同じ「希望」はないと思います。
星についてのタロットカードの詳しい解説はこちら
ちなみに「星」の希望は、インスピレーションに導かれた明るい見通しからくる希望で、「愚者」の根拠はないがとにかくポジティブな希望にあふれている印象とでは、抱いている希望の状態が違うと感じます。
ぜひ、タロットの解釈に間違いなどないんだという気持ちで、1枚1枚と向き合ってください。
改めて、タロット教本のカードの意味を見てみる
そして78枚全てのカードを眺め終えたら、改めて教本やネットに書かれているカードの意味を見てみてください。
愚者についてのタロットカードの詳しい解説はこちら
恐らく自分が想像し感じたことと大きく違わないことに気が付くだろうと思います。
子供の頃を思い出してみてください。疑問に思ってすぐ人に聞いたことは「ふ~ん」と分かったつもりでその場は納得しますが、覚えていることは少なかったのではないでしょうか? それに対し自分で調べたことは案外忘れずに身についているものです。
これはタロット占いを独習で習得するうえでも重要なことで、他者から教えられた答えは忘れてしまいますが、自ら気付き導き出した答えは忘れません。あなた自身で解釈した意味は血となり肉となり、これからいつでも必要な時に活躍することでしょう。
もしもタロット教本やネットに、自分が想像もしなかったカードの意味が書かれていたなら、筆者はなぜそのように考えたのか、もう一度タロットカードを眺めて想像してみてください。
想像して「なるほど」としっくり納得できたなら、あなたもそのカードの意味として採用し、解釈の引出しを増やしましょう。
もちろん、しっくりこなければ採用は見送ってOKです。
というのも、タロット占いとは面白いもので、しばらく経ってから突然「そうだったのか!」とひらめくことがよくあるのです。
まとめ
いつでも答えは他人ではなく、あなた自身が持っています。
それを忘れずに、タロット独習をつづけましょう。
次回の挫折しない! タロット占いを独学で習得したい人におすすめの勉強方法 タロット入門3では、共通点のある複数のタロットカードについて理解を深めていきます。