タロットのシャッフルとカットの仕方
タロット占いを挫折せず独学で習得したい人におすすめの勉強方法を紹介。スムーズに最短でタロットを習得できるように挫折しやすいポイントを押さえながら、タロットを独学で習得するための勉強方法を順序を追ってわかりやすく説明していきます。
前回の挫折しない! タロット占いを独学で習得したい人におすすめの勉強方法 タロット入門5はこちら
前回は逆位置で出たカードの意味の捉え方について色んな角度から述べました。
今回はいよいよ実際に占ってみる段階に入ります。
タロットのシャッフルとカットについて
このタロットカードのシャッフルとカットをきちんと抑えると、気持ちが日常生活から占いモードに入ります。また見た目としても、ぐっと本格的な「タロット占い」に近づきます。
もちろん大事なのことはリーディングの中身ですが、ここからは形にこだわって述べていきます。
タロットデッキのシャッフル、カットとは
「デッキ」とは一揃いのカードの束をいいます。
これはトランプやなどのカードゲームでも同じです。
「タロットデッキ」といえば大アルカナ22枚、もしくは78枚フルデッキのタロットを指します。
タロットカードで占うには、偶発性を引き出すためにその都度カードを混ぜます。
カードを混ぜることを「シャッフル」
カードの束を分割し、パイルを重ねて入れ替えることを「カット」といいいます。
シャッフル、カットは占い師にとって大切なリーディング前の「心の準備」の時間です。
偶発性から読み取るタロットリーディングは、すべてがアドリブです。
あとになって「こういう意味や受け取り方もありますよ」なんてクライアントに説明できません。文字通り「一発勝負」です。
タロット占いでは精神を集中し、注意力、感性、語彙の3つの扉を開き、現場でいかに深いリーディングを引き出せるかが重要です。
そして、扉を開き、深いリーディングを引き出せるかどうかは、タロットリーダーのコンディションにかかっています。
タロットリーダーが不調であれば、質問に関係ない不調をあらわすタロットカードが出ることがよくあります。
そのため疲れが残っていたすると、意識を集中してタロットに質問を投げかけシャッフルに入るまでに時間がかかります。
しかしながら、人間だれしも日々のコンディションには波があるものです。
機械ではないのですから、どうも今日は体調がすぐれないのか集中しにくい、または集中するのに時間がかかる…そのこと自体を気にすることはありません。
タロットのシャッフル、カットは、タロットに質問を問いかけるするためだけの時間ではありません。
人間であるからこそ避けられないタロットリーダーのコンディションの波を可能な限り整え、安定したリーディングのクオリティを引き出すことが大切。
シャッフル、カットは、占い師にとって大切な精神統一の時間でもあるのです。
タロットデッキのシャッフル、カットの方法
では、オーソドックスな一般的なシャッフルとカットの仕方を説明します。
1.まずタロットデッキに手を添え、意識を集中し、質問を問いかけます。
2.カードを広げ、混ぜます。時計回り、反時計回り、あるいは両方を用いてもかまいません。
3.心ゆくまで混ぜたらカードをまとめてゆきます。
4.横倒しにまとまったカードの天地(上下)を直感で決めます。
5.カードの山を3つの束にカットします。
6.カットした束を好きな順で一つにまとめます。
以上が、オーソドックスなシャッフル、カットのやり方です。
もちろん、あなた独自独でシャッフル、カットのルールや意味付けを設けてもかまいませんし、そうなっていくだろうと思います。
というのも、実際、占い師さんによってシャッフルカットの仕方にはばらつきがありますよね?
「最初に読んで学んだ本にそう書いてあった」
「先生からこのように習った」
「そこから色々試して今のやり方に落ち着いた」などの理由です。
いずれにせよ自分に「しっくりくる」からその方法を採用しているわけで、あなたにはあなたのやり方があっていいのです。
私独自のシャッフルとカットの仕方
参考までに、私のシャッフル、カットの仕方をご紹介いたします。
1.タロットデッキに手を添え、意識を集中し、質問を問いかけます。
2.カードを広げ、混ぜます。未来についての質問は時計回りに、過去についての質問は反時計回りに混ぜます。
3.心ゆくまで混ぜたらカードをまとめていきます。
4.横倒しになっているカードの山をタロット占い師が2つにカットし、また一つの山にまとめます。
5.自分について占う場合は時計回りに90度、クライアントについて占う場合は反時計回りに90度回して、カードの天地(上下)を決定します。
6.カードの山を3つの束にカットします。クライアントについて占う場合は、クライアント自身にカットをお願いします。(クライアントに動揺や疲労が見える場合や時間的余裕のない場合は占術師が続けてカットを行います)
7.カットした束を好きな順で一つにまとめます。クライアントにカットをお願いした場合は、引き続き好きな順で一つにまとめてもらいます。
私の場合は、12歳の頃に初めて借りて読んだタロットの本に書かれていた方法がベースになっています。そこから色んなタロット教本を読み「クライアントの意思をもっと反映させたい」という気持ち、自分のタロットデッキを他人が触ることに特に抵抗を感じなかったことから、このようなシャッフルとカットの仕方に落ち着きました。
とはいえ「タロットはむやみに人に触らせるものではない」という考え方のタロット占い師も多くいますから本当に人それぞれです。
シャッフル・カット中のQ & A
いざシャッフル・カットを始めると、”ただそれだけ”と思っていたことにも疑問がでてきます。そこでよく聞かれるシャッフル・カードの質問と具体的な答えをまとめました。
Q1.シャッフル中にカードが飛びだした。この場合はどうしたらいい?
A.飛び出したカードを覚えておいて、リーディングに活かしましょう。というのも、かなりの確率でシャッフルで飛び出したタロットカードが、スプレッドにも展開されることがあるからです。そのまま飛び出したカードを戻し、シャッフルを続けて大丈夫です。
タロットは偶発性から意味を見出すト占(ト術)です。
もうタロット占いが始まっているのですから、シャッフル中に飛び出したカードにも意味があると考えると、タロットリーディングの幅が広がります。
どんな風に活かすか、私の過去の例からいくつか挙げると…
例1)ある若い女性から恋愛相談を受けた際、シャッフル中にペンタクル4のカードが飛び出したことがありました。一見、恋愛には関係なさそうなカードに思えますが、「彼氏さん、束縛気味ではない?」とたずねてみたら、「そうなんです! ちょっと息苦しくなってきて…」と、リーディング前から話がはずんだケースがありました。
例2)また別の若い女性の恋愛相談での時のこと。シャッフル中に審判のカードが飛び出し、続けてソード3も飛び出しました。質問内容はただ漠然としたよくある「自分の恋愛運について占って欲しい」とのことだったのですが、これはもう失恋後、復縁の可能性があるかどうか? がタロットで占って欲しい内容の本心だと感じ「最近、彼氏さんとうまくいっていない?」とやわらかくたずねたところ「実は…」となり、改めて「彼氏さんとの復縁について」と質問内容を立て直し「復縁するためにはどうすればよいか?」とスプレッドを変えて占いを続けました。
また、自分では集中して注意を払っているつもりなのにバラバラとタロットカードが飛び出す場合は、今は占うタイミングではないのかもしれません。
タロット占いを中断する場合も「なぜこうなったのかな?」と考えるきっかけをもらったと思えば、それまでの時間は決して無意味ではないはずです。
Q2.占い終わってカードを片付けようとしたときに、箱の中に数枚のタロットカードが残っていた。占いは無効?
A.タロットボックスに保管しているならともかく、タロットの箱の中にブランクカードと一緒に簡易説明書の冊子が入っていることが多いですね。
「それと一緒に1枚残っていた!」というのはお話をよく聞きます。
ですから、ブランクカードや簡易説明書は最初に別に除けておくのがいいと思います。
さて、タロットは偶発性から意味を見出す占術です。
今度は「箱の中にカードが残っていた」という点にも意味があると考えてみましょう。
例えば…
例1)恋愛について占った後、箱の中にソード5が残っていたのなら、相手との関係を大切にするあまり、実は相手の言動に傷つきすごく我慢をしていて、箱(心)の中にしまいこんでどう対応するのか、後回しにしてしまっていないかを見直す必要があるのかもしれません。
例2)ある計画を実行しようかどうか占った後、ワンド8が箱に残っていたら「あなた、急ぎすぎですよ」とメッセージを送っているのかもしれません。
例3)箱の中に愚者が残っていたのなら、ただ単に「うっかりしていますね、まったく!」とタロットが伝えているのかもしれません。
これも、あなたの腑に落ちない場合は別の対処でもOKです。
Q3.タロットをまとめるのがうまくいかない
A.最初の頃はスマートにまとめるのはなかなか難しいことです。
またタロットの紙質にも左右されます。
しかし落ち着いて、始めた頃は取りこぼしを少しずつまとめても、問題ありません。慣れてくるにしたがって、シャフル・カットも流れるようにマートに出来るようになります。
Q4.イベント出店だと、十分にシャッフルするだけのスペースが確保できない場合が…この場合はどうすれば?
タロット占いを独学で習得した若いお友達が、イベントに出店した際にぶつかった疑問です。
「それでは不完全な気がする…」という方は、状況が整わない占いは避けたほうが良いかもしれません。
「この状況もまた偶然の一部である」と腑に落ちる方は、いつものシャッフル方法でなくともよいかと思います。この場合には、トランプのようにオーバーハンドシャッフルを用いるとよいでしょう。タロットは正位置、逆位置の概念もありますので、時折カットして天地(上下)をひっくり返し、よく混ぜるようにしましょう。
まとめ
今回は実占の最初の手順、シャッフル・カットは、タロットリーダーのコンディションの波を可能な限り整え、安定したリーディングのクオリティを引き出す、占い師にとって大切な精神統一の時間でもあることを述べてきました。
文章では伝わりづらいかもしれませんので、ただいま動画の用意しています。